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見つめることしかできなかった恋の行方

初恋って本当に甘酸っぱいですよね。
恋愛経験もほとんどなかった小学生時代、あたしは同じクラスになった家が近所の男の子に恋をしました。
彼は頭もよくかっこよく、スポーツ万能。
まるで漫画の世界から飛び出してきたみたいなそんな感じの男の子。
しいていうなら、背は高くはなかったけど、クラスの人気者でした。

仲良くなったきっかけはクラスの席替え。班がたまたま一緒になったこと。
ケンカ交じりの言葉もかわしながら楽しく過ごしていました。
数か月後、また席替えがあり、あたしと彼は別々になりました。
その頃からでしょうか?彼は授業と授業の合間の休憩の時間にあたしにちょっかいをかけてくるようになりました。
あたしはこの頃には恋心はなく、そんな行動に本当にイラついていました。
だって毎休みに、当時長かった髪を引っ張られては、反撃もままならず逃げてゆかれそれを追い回す日々。
彼の友達やあたしの友達も巻き込んで、毎日廊下で運動会してました。

そんなある日、彼とあたしは近所なので、偶然、学校からの帰り道で会ってしまいました。
相変わらず容姿のことや、あだ名をつかってあたしをからかってくる彼。

あたしは心の底から彼に「大嫌い!!」と叫びました。

そうしたら彼、急に勢いがなくなり、驚いたような表情をみせました。
その顔色はみるみる悲しみの顔にかわり、そのまま何も言わずに言ってしまいました。

そしてそれ以来、彼のあたしへのからかい行動はなくなりました。
あたしは、毎日もやもやしていました。
からかわれない、寂しさ?
構ってくれなくなった、つまらなさ?
彼の友達はしばらくは変わらずからかってきたりしてましたが、彼は絶対に参加しませんでした。

どうしてかこんなタイミングで気づくものです。
あたしはもうこの時、恋に落ちていたのです。
彼という存在はもうあたしの中ではとてつもなく大きくふくらんでいました。

今頃、今更。
好きと気づくなんて。

それからは、毎日彼を目でおう日々。
見つめる先の彼は変わらない。
そのうち、違う女の子にちょっかいをかけだした彼。
それでも見つめていることしかできないあたし。

中学生になってもそれは続き、あたしはずっと彼にずっと片思いしていました。
何の根拠もないのですが、いつかきっと思いは届き叶うと信じていました。

なにも起きないまま、もちろん一言も言葉をかわさないまま
3年間の中学生活終了。

高校は別でした、あたしはもう彼を見つめることすらできなくなりました。
それでも彼が好きで、駅で彼を見かける日は心躍らせていました。

ですが、恋の終わりはもうすぐそばまできていました。
ある日街で友達と遊んでいるときに、偶然にも彼を目撃しました。
久々に見た私服姿の彼のとなりには、かわいい、とてもかわいい女の子。

何の根拠もなかった自信はもちろんあっけなく崩れました。

だめなんだ、想ってるだけじゃ気持ちは伝わらないんだ。

今考えれば当たり前のことですが、このとき初めて心からそう想いました。
あたしは玉砕覚悟で彼に想いをぶつけました。
小学生時代のあの日以来、ずっとできなかった言葉を交わしたのです。
結果はもちろんNO。当たり前です、彼女いるし、彼女見たし。
でも、あたしにとってあの告白は大きな一歩でした。

見つめ続けるだけの、静かで深い恋心。

自分の気持ちをきちんと相手に伝える勇気。
この初恋で学びました。